一時停止のその方法 ~全体の効率の最適化にむけて~

みなさまこんばんは

教習所に勤めた元偉い人のブログ 7回目

効果的で効率的な一時停止の方法とその通過

一時停止がなぜ必要かは別の回で記述した通り

教習所で教わる運転は役に立たないとの意見もいまだに散見されますが、現在の教習所の指導員の考え方をベースに述べてみたいと思います。

道路交通法の第一義は危険の防止です。

とかく運転に慣れれば慣れるほどにこれが疎かになり、円滑という大義名分を掲げて乱暴な運転をしがちなこのご時世への警鐘として

1、接近、それは緩やかに

その方法は、交差道路、合流する道路の交通、即ち自車に対して優先する交通に圧迫感を与えないようゆるやかに接近することです。

多くのドライバーが行う、止まるか止まらないか、交差道路の交通が不安になるような急ブレーキ気味の接近ではなく、たとえ相手が交通に不慣れな初心者であってもこちらは停止線を超えてあなたの進行を妨げることはありませんとの意思表示となるような、ゆるやかな接近をすることが重要です。

そうすれば相手も当該交差点に接近した際に必要以上の減速に迫られず、結果的に一時停止の側の交通も当該交差点を早く通過できる可能性が高まります。

これが逆になると、その後の現象も逆になります。つまり、急ブレーキ気味の接近となると交差道路の交通も本来必要とされる以上の注意をしなければならず、当該交差点への接近スピードが落ち、結果的に一時停止の側の交通が交差点を通過する時間も遅くなります。

だってほら、びっくりした車が速度を落としたためにその先の信号でひっかかり、後続車ができて、またあなたは一時停止から出れなかったでしょう?

また、お互いにストレスが溜まりますし、どこかで事故やトラブルの原因となるかもしれません。因果関係を立証することはできませんが。

さらに、ひどい運転者となると自分が道を譲る立場にかかわらず、相手を威圧しながら停止線に接近、あわよくば相手に道を譲らせて自分が先に通過しようとしますがとんでもない話です。それが成功する確率などごくわずかでしょう。

つまり、全体的な効率を最適化しようと考えれば一時停止への接近はゆるやかに行うべきです。譲るべきはスムーズに譲ってその後に入ればよいではないですか。他人を出し抜くことばかり考えていてはいけません。

2、停止

 教習所で教わった通り、停止線を超えないように停止してください。とりあえず何も考えずに停止線を超えない習慣を身に着けてください。

 体調の悪い時、気分のすぐれない時、夜間、雨天など状況が極めて悪い時、そして年を重ねた時、あなたを救うのは身についている良い習慣です。

何かの拍子で歩行者の発見が遅れたとき、停止線を超えない習慣が身についていれば、万一の接触を防げるかもしれません。停止線で止まったから見えた歩行者がいたかもしれません。

 ともかく停止線を超えない位置で停止する習慣を身に着けて下さい。

3、進入

クロネコヤマトや佐川急便といった流通大手になると、三段停止など、停止線を超えてからも再停止を励行している会社は多々あります。

法律に規定はありませんが、交差道路の状況を考えて必要であれば停止線の先でも停止することを心がけて下さい。

停止線を超えたからといって焦って加速する必要はありません。

交差道路の交通をよく確認して安全に通過してください。交通の流れにのる場合は必要な加速を行って下さい。

もちろん、確認が完了するまでは交差道路に進入することがないようにしましょう。

ところで、とある福岡県の某会社の安全運転の知恵袋とやらに交差点はサッと通過しろとの記述があり、おどろいてその記事を読んでみるとその理由が、万一交差道路の交通を見落としてもサッと通過すれば接触のリスクが減ると、とんでもない理屈でさらに驚きました。

交差道路の交通を見逃す程度の注意力でその先を横断する歩行者をどうやって見つけるのでしょうか?

そんな会社の運行する車には関わり合いになりたくないものです。

もはや犯罪レベルの記述かと思われます。

そのようなことにならないために安全確認が必要なのです。

ちなみに福岡県警にこのHPについて回答を求めたところ無視されました。怖いですね。

安全確認とは危険がないことを確認するのであって、危険があるかないかをを確認することではありません。たとえば歩行者が”いない”ことを確認するのです。

備考

交差点の安全確認の方法

交差点 右から見るか、左からみるか。

交差点を通過しようとする際、交差道路の安全を確認しなければなりませんが、さて、その際に道路の右側から確認するのがよいか、それとも左側から見るのが良いか。

答えはどちらとも言えません。とにかく安全が確認できるまでは交差点に進入しないということが重要です。

日本の道路では車は左側通行、交差道路の車は右から来るので、右から確認するのが一般的です。

ただし、道路交通法第10条

「歩行者は、歩道又は歩行者の通行に十分な幅員を有する路側帯と車道の区別のない道路においては、道路の右側端によって通行しなければならない。ただし、道路の右側を通行することが危険であるときその他やむを得ないときは、道路の左側端によって通行することができる。」
により、歩行者は右側通行となります。その根拠は車と対面した方が安全ということです。

法律に則れば、歩行者は左から来ます。

しかしまた、歩行者が右側通行ということは世間一般には知られておりませんし、車と同一方向に進行する方が適当な場合もあります。

よって歩行者も道路も右側からくる可能性が高いので、やはり右側から確認するのが妥当と言えますが、日本が左側通行だからといって常に右側から確認する癖がつくと、左側の歩行者の発見が遅れ、事故になる可能性があります。また、基本的に車は道路の左よりを走っているため、左側の死角はより大きくなります。右側よりも確認がし辛くなります。

左右の確認が完了するまでは交差点への進入は慎重に行ってください。

ではまた。

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