マニュアル(MT)車の運転はアレと一緒て本当? ~マニュアル(MT)車の運転の秘密~

みなさまこんばん(こんにち)は。

教習所に勤めた元偉い人のブログ 12回目

マニュアル(MT)車の運転について

マニュアル(MT)車の運転がアレ「みんなの大好きなコト」と同じって本当なの?

もちろんそうです。

マニュアル(MT)車の運転とは任意のギアに「入れて」「ピストンスピード」をコントロールするからです。そしてピストンスピードをコントロールするギアのその「入れ方」には仕組みの理解と準備と経験、センス(車のコンディションを捉えること)が重要だからです。もっといえば車との「対話」が必要だから。自動車評論家(笑)や自称車好きもよく言いますよね?MTは車との対話が楽しめるとか、ダイレクト感があるとか。

もっともダイレクト感に関しては最近のいわゆる「オートマチック」車もトルクコンバータをロックアップ(直結)するのでダイレクト感ありますけどね。鈍いだけなんじゃあ・・・もしくはMT免許取得中かMT車買って浮かれてるチェリーボーイかも。ヤ○コメなんか見てると。

注1トルクコンバータ(流体クラッチ、流体継手とも)は運転教本に載ってた扇風機が向かい合ってるアレです。(中○日本の運転教本がいいな)あの扇風機の羽から爪が出てきてお互いの羽を固定するのがロックアップ機構です。

マニュアル(MT)車とは?

難しい構造のお話はさておき、ここではオートマチック限定免許で運転できない、ギアチェンジの際にクラッチペダル(左足)の操作が必要な車を指します。マニュアルトランスミッション、ミッション車とも。ちなみに日本での新車販売におけるこの車の割合は2パーセント程度だそうです。(2019.01.13時点)

男と女

昔、エロいレーサーが言っていたか、はたまた峠であったおじさんに聞いたのかは定かではありませんが。チェンジレバーは「男」でギアボックスは「女」。入るように出来ているからよく手応えを感じて仕組みを考えろと。下手なやつほど力まかせにグリグリ。そんなんじゃ入らないから・・・ギアが噛み合う速度とタイミングと仕組みのことを言ったのでしょう。運転手が望む駆動力を実現する減速をエンジンからいかに車に上手く伝えることができるか?

教習所で例を挙げれば狭路(S字・クランク)コースへの進入の際、あるいは停止直前に1速に入れるわけですが、速度が20km/hも出ていればクラッチを踏んでも2速から1速にはなかなか入らないですよね?それは相手(車)の準備ができていないからです。

簡単な構造のお話(気になる人はyoutubeで確認)

なぜクラッチを切るのか、あるいは切ってもギアが入らないのか?
MT
あらさがしはご遠慮下さい(–)

さて、5速マニュアルの車があります。この車には大きさ(歯の数)の異なる1~4枚の歯車(ギア)があり、それは同じ軸(アウトプットシャフト)にあります。ここからタイヤに繋がります。エンジンからの出力はインプットシャフトからギアを介してカウンターシャフトというところに伝わります。このカウンターシャフトにも4枚の歯車があり、常時アウトプットシャフトの4枚の歯車と噛み合っています。ただし、異なる歯の数のギア(歯車)が同軸(アウトプットシャフト)上で固定されていて他の軸(カウンターシャフト)上のギア(歯車)と噛み合っていては回転できないので、使わないギア(歯車)は空転しています。使うギア(歯車)のみ固定されています。

エンジン→クラッチ→インプットシャフト→カウンターシャフト→アウトプットシャフトの順で動力が伝わります。クラッチはインプットシャフトとエンジンの間にあります。

※ちなみに5速の内1速は一般的には、インプットシャフトとアウトプットシャフトが直結されるものです。よって歯車(ギア)の数は5-1で4となります。

さて、

1、例えばある速度で走行中3速の歯車(ギア)が選択(ドグクラッチで固定)されている場合、残りの歯車(ギア)は同軸上(アウトプットシャフト上)で空転しています。

2、変速操作とはいま選択されている歯車(ギア)を外して他の歯車(ギア)をアウトプットシャフトに固定してカウンターシャフト上の歯車(ギア)と対応させる行為です。

3、しかし、いま選択されていた歯車(ここでは3速ギア)の速度でアウトプットシャフトが回転していたところに他の速度を持つ歯車(ギア)を固定しようとすると、エンジンの側からのカウンターシャフトを通じたアウトプットシャフト歯車(ギア)の回転とアウトプットシャフトそのものの回転に差が出ます。

4、よって、エンジンからの力を歯車(ギア)から解放するためにクラッチを切ります。

5、しかし、カウンターシャフト、アウトプットシャフト上の次に望む歯車(ギア)とアウトプットシャフトそのものの回転数(速度)はズレたままです。

6、よって唐突に歯車(ギア)を変えようとすると速度と歯車(ギア)のもつ速度が噛み合わず、ギアが入らないということになります。いくらクラッチを切ってもクラッチはエンジンとインプットシャフトの間にあり、変速はそれ以降で行われる(そしてギアは常に噛み合っている)からです。

7、この回転差を吸収するにはアウトプットシャフトの速度があなたの望む速度になるのを待つのが基本です。あるいはテクニックで吸収する必要があります。そう、「ダブルクラッチ」です。

やっぱり「アレ」と似てるでしょ?

むりだって、そんなんじゃあ。

クラッチを切ったところで「ギア」は入りません。いや、まあ残念なひとの為に力任せでも最近の車は入るようにできています(シンクロナイザーというものが滑りながらギアを固定していく)が、車に負担がかかる(シンクロが痛む)ことに変わりはありません。待つかテクニックを駆使する必要があるのです。

※ちなみに加速の際にはギアチェンジの最中にエンジンの回転数が落ちていい塩梅になるので、あまり意識する必要はありません。問題は減速の際、同じ「速度の場合」今よりも高いエンジンの回転数が必要となる場合です。

難しい?

そりゃあパートナーと本当に気持ちよくなりたければ知識もセンスも必要ですよ?

ハードに走りたい時もあれば車をいたわって走りたい時もあるかと思いますが、構造と作動原理を理解していなければいくら「緩やかな」操作(行為)行っても無駄でしょう?

いくらゆっくりしても準備ができていなければ相手は受け入れてくれませんよね?逆にしっかりと準備ができていればそのあとハードにピストンしても相手も心地よかったりするものです。もっとも、車にも男にも女にも上限、レッドゾーンはあるし、それはそれぞれ異なります。

やっぱり、同じでしょう?経験を重ねるなかで、反応を見る、ということをお忘れなく。

クラッチ操作のコツ ~発進、停止~

クラッチはゆっくり切って素早くつなぎます。

運転教本には逆で書いてありますが、それはウソ・・・!!

教本通りに教えている教官がいたら、マニュアル車をプライベートで乗ったことがないか自分のしていることがわかっていないか、いずれにせよダメな奴です。

さて、平地での発進時はクラッチは素早く上げてきますが、どこまで上げるかというとクラッチの繋がりはじめ(半クラッチの最初の方、腰やハンドルなど車の振動からこれを体感します。)までで、そこ(半クラッチの領域)では少しタメが必要となります。よほどの改造車でない限りはこれで勢いがつく(クラッチを上げてもガックンとならない)速度、(10km/hもいらないはず)でクラッチを完全につなぐ(左足を上げる)でオーケーです。

クラッチ操作のコツ その2

変速の際にカウンターシャフトとアウトプットシャフトの回転を合わせること。特に減速チェンジの際一般的に言われるヒールアンドトゥではクラッチを切った状態でカウンターシャフトとアウトプットシャフトの回転を力づくで合わせてから、エンジンをあおってカウンターシャフトの回転数=インプットシャフトの回転数にエンジンの回転を合わせるので必ずしも車にやさしい運転とはいえません。

一方ダブルクラッチの場合、クラッチを切ってアウトプットシャフト上のギアを外す、クラッチをつないでニュートラルでエンジンをあおってインプットシャフト、カウンターシャフトいまよりも回転させて次のギアで現在の速度を維持するのに必要な回転数に合わせる、再びクラッチを切ってアウトプットシャフトの望むギアを選択する。クラッチを上げる。よってどこにも負担がかからないということになります。

以上

ヒント

減速チェンジの際に、例えば3速から2速に入れるとき、3からチェンジレバーを操作して2にあてると、最初は速度がズレているので、手応えが硬いですが、速度があってくるとスコーンとチェンジレバーが吸い込まれる速度があるので、そこまでガマン

ニュートラルでクラッチをつなぐ

運転操作もセッ○スも一連の動作のなかでこれらのことが知識と技能と一体となって実践されなければダメですね。

また加筆訂正します。

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