指導員の質はなぜ低いのか?

みなさまこんばん(こんにち)は。

教習所に勤めた元偉い人のブログ 14回目

お題の通り。このブログに上記の検索ワードでお越しになられた方がおられるので。

とりあえず

指導員の質=(教習所の質>0)×(指導員のポテンシャル>0)

としてみましょう。

昔から教習指導員のその質に関してはある種の感情を抱く方が少なからずおられるわけで、実際に偉かった人の立場で述べてみたいと思います。

しかしまた、質といわれましても非常に定性的な表現ですので、

まず、教習所、教習指導員という用語の説明を行います。

さらに上記の式の指導員の質、教習所の質、指導員のポテンシャルをそれぞれ因数分解してみたいと思います。コンサル風に。

教習所とは?

指定

これは一般的に「指定自動車教習所」を指します。この「指定」というのは公認などともよばれ、この指定を受けた教習所でその指定に係る教習を受け、卒業検定に合格すると本来運転免許試験場で受けなければならない「技能試験」が免除されるというものです。「技能試験」を試験場で受験することを飛び込み受験とも呼びます。これについてまた後日。絶対に合格しないというものでもありませんが、手間の煩雑さなどを考えると現実的ではありません。みんなが教習所に通う理由がここにあります。

運営

全く別の事業を行っている親会社(パチ○コ、土○、不動○等、世間一般にイメージの悪い職種が多い)が運営していることもあれば、○○教習所として単独で経営を行っているところもあります。これはかなりしんどいケースです。教習所業界はオワコンなので、この事業のみで収益を確保することはかなり厳しいと思われます。この事業のみで存続出来ているならその地域がほぼ「談合」のようなことを行っているか、あるいはとても革新的な施策を打ち出しているところのはずです。

指揮監督

これは公安委員会、都道府県運転免許試験場が監督しており、担当はその名の通り、教習所係となります。

具体的には年一回の総合監査、これは書類等の点検で業務が適正に行われているか。

と、臨時の立会で教習、検定、委託業務である仮免学科試験がやはり適正に行われているかの実際を点検します。

指導員とは

資格とその取得

道路交通法第九十九条の三第四項に基づき教習指導員資格者証を交付された者が教習指導員です。教習所で働く先生はみんなこの資格を持っています。この資格を取得するには公安委員会が行う6つの審査、

運転、技能面接、学科面接、正誤、補完、論文に合格しなければなりません。

国家資格です。年に一回、法定講習を受講しなければなりません。受講できない場合は「確認審査」というものを受講する必要があります。指導員の水準を維持するためです。

年収

額面で全国平均450万円です。地域により差があります。地域別最低賃金との相関関係はかならずしもありません。

革新的な教習所となるとアンケート、指名、忌避等からかなり給与に差がつきますが、大半の教習所につとめていれば他の指導員と大差なく「食って」いけます。

学歴

さすがに、大学全入時代とも言えますので、大卒の割合は高まっているようです。ちなみに指導能力と学歴に正の相関関係はありません。

目指す人々

車に興味があったり、教えることに興味があったり、さまざまですが、「第一志望」でないことが多いですね。つまり、時代の変化を受け入れつつ「安全運転を伝えよう」という意識のある人はまれです。

運転技量

下手です。若者の車離れは深刻です。指導員も例外ではありません。車を所有したこと、ひどいのになるとプライベートでほぼ運転したことがない人間もいます。

ということで

教習所の質

理想的には一定の水準が保たれています。しかしあくまでも「企業」として活動しているわけですから、「最低」の水準を下回らない程度、例えば無理やり規定の時間、AT限定免許なら31時限で無理やり卒業させるためにあらゆる手段を考えます。教習の水準をあげるということではなく物理的な手段でです。

しかしまた、卒業後の教習生のことを考えて活動する、具体的には基準の時限を超えることを厭わない教習所もまだまだ存在します。(もちろん経営サイドは早く卒業してほしいのですが。)

よって、教習所の質は必ずしも一定ではありません。2:6:2の法則がはたらきます。いえ、どんな物事にも順序はあるということですね。

指導員のポテンシャル

教習所の質と同じくバラつきがあります。その密室での指導という性質から「尊大」になる指導員も多くいることはしかし人間なので当然でしょう。

指導員の質

なので決して低いわけではありません。ただし、ある意味、他になることができなかった人がなる職業ともいえますので、さまざまな職業全般と比して相対的に低く感じるかもしれません。

頑張っても何かがおきることは基本的にまれなので、「堕落しやすい」職業ともいえます。

やはり質が低いと感じるのは仕方のないことかもしれません。

密室で過ごすわけですから、あう合わないもあります。

どんな生徒(年齢、性別、職業)にも対応できる指導員はどの教習所にも5名以下でしょう。

特にネットでの評価の高い教習所に期待していくと失敗する可能性は高まります。自分とよくにたタイプの人が実際に通った感想を参考にしましょう。

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