認知症と運転  その運転行動が認知症の始まり

みなさま

さぼり気味の教習所に勤めた元偉い人のブログ 17回目

認知症と運転

と称して今回は加齢(経験)とともに衰える、ひいては認知症に繋がる運転行動をみてみたいと思います。

増える高齢免許所持者

昨今、高齢者の運転が取りざたされていますが、社会が高齢化していることと、免許をもっていないことが珍しい世代がいよいよ高齢化してきたことが原因かと思われます。

免許の区分では高齢者は70歳以上ですが、一般的には65歳以上が高齢者と呼べるでしょう。

現在65歳の人が20歳の時は45年前。1974年 昭和49年となります。

警察庁統計より、この時の20~24歳の人口に対する運転免許の保有率は50パーセントです。30~34歳でも50パーセントを超えていること、また逆にこれ以上の世代では50パーセントを下回っていることから、このあたりから国民皆免許時代が始まっていると言えます。

やばい奴が年をとる

危険な運転をする人もそうでない人も年をとるということですから、そして高齢者の運転行動をみていると、加齢による運転行動の衰えもさることながら若い時から安全運転に対するこころがけがたりないのではないのかと思える運転者が多いということです。

それが相対的に数が増えたことにより目立つようになっているのではないかということなのです。

若いころは多少の無茶な運転も運動神経でカバーできますが、年を重ねるとそうはいかないのです。

ちゃんとしろ

結論から言えば法規履行を確実に行うことになりますが、これがなかなかやろうとしても出来ないものなのです。普段からきちんとしていないと。

当たり前のことができなくなるのが認知症であり、その当たり前のことを自ら行わないということは認知症になりたいといっているようなものです。面倒くさいと思うことも危険のサインです。

こころあたりの人は要注意

合図と進路変更

実はこれを正確に行うことは簡単なことではありません。逆算が必要となるからです。

進路変更の合図は行為の3秒前、右左折の合図はその地点の30メートル手前となります。

交差点を右折する際にはできるだけ道路の中央による、左折の場合は巻き込み防止のために左側端に沿って、という決まりがあります。

つまり、右左折には車線変更をしない場合でも進路変更が必要となります。

さて、進路変更の合図は行為の3秒前となっていますから、合図を出してから3秒間はハンドルを切ってはいけません。

ところで時速40キロメートル毎時で走行している場合、1秒間に進む距離は約11メートルです。つまり、交差点を左折する際は交差点から30メートルの位置から3秒手前の位置、と進路変更に必要距離+α+33メートル後方、交差点からは60メートル(車約12台分)+αのところから合図が出ていなければなりません。

いつも走る道路でも交通状況により速度は異なりますから、あらゆる速度で合図を出して3秒後にハンドルを切って、きっちり30メートル手前で進路変更が完了できるでしょうか?

いい脳トレになるかと思います。

確認

めんどくさがってはいけません。確実に行う(首を振る)ことです。いないことを確認することが確認です。普段できると思っていることが出来なくなることが認知症。しかし見えさえすれば何とかなるかも・・・

黄信号で停止

黄色は止まれ。さて、技能試験実施基準ではおおむね減速Gが0.3を超えると制動操作不良の不円滑という減点細目に該当します。

大雑把に計算すると40キロメートル毎時から30メートルで停止しようとすると大体この数字前後になるかと思います。

ところでセンターラインや車両通行帯境界線が破線から実線にかわるところが交差点から30メートルの合図、道路の形状によってはそれ以上のところもそれ以下のところもありますが、そこまでに右左折に伴う進路変更を終えて下さい、という目安です。

一時停止

とにかく停止線を超えない。50センチから1メートルの範囲で停めれるように意識してブレーキを操作しましょう。踏み遅れたら強く、早かったら弱く。

速度

何も一律に標識の速度で走れとは言いません。しかし周りの流れに合わせる漫然運転はやめましょう。できない人は少なくとも運転に対する思考が停止している。

トンネルでのライト点灯

めんどくさいのかなんなのか、そんなことを繰り返すことがボケのはじまり。きをつけましょう。

譲り合い

タイミング、車両感覚が不足していて譲り合いができない。これもやばい。電柱や駐車車両の横で行き違いにならないようにするなど。

感想

運転をしていると実は考えることはとてもたくさんあります。

引き算は通用しません。究極は運転をしないという選択肢しかなくなるからです。

しかし、教習所で教わったことを実際の交通の流れを阻害せずに実施できるのであれば、少なくとも認知症予防にはなるのでしょうか?

おかしな運転をしている人をみるととてもそう思います。

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